iPhone 11は、端末のスピーカーでDolby Atmosの再生に対応しています。端末のスピーカーで、どのような仕組みでDolby Atmos音声を再生しているのかは不明です。
新しい10.2インチiPadは、Dolby Digital Plus対応ですが、端末のスピーカーでDolby Digital Plusのマルチチャンネルを再生できるわけではありません。iPadの場合は、HDMIでスピーカーシステムに接続する必要があるようです。
なお、iPad Pro (2018 series)は、端末のスピーカーでのDolby Digital PlusやDolby Atmosの再生に対応しています。
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| https://developer.dolby.com/platforms/apple/ios/device-support/ |
しかし、問題は、iPhoneやiPad向けのDolby Digital PlusやDolby Atmosのコンテンツがほとんどないということです。普通の2chステレオで配信されているコンテンツがDolby Digital Plus、Dolby Atmosの聴こえ方になることはありません。スピーカーの性能によって、それらしい聴こえ方になることはあるかもしれませんが。
現状では、iTunes Storeのコンテンツも、スマホやタブレットなどのモバイル端末向けではDolby Atmosの音声に対応していません。iOSの13.1へのアップデート後も状況は変わっていません。
なお、最近のMacはiTunesのDolby Atmosの音声に対応しているようです。
Dolby Atmos is available on Mac notebooks introduced in 2018 or later.
ドルビー社の情報によると、最近のMac Bookなどでは、端末のスピーカーでのDolby Atmos再生に対応しているようです。
iTunes Storeは、Dolby Atmos対応のiPhone 11向けに対応コンテンツを用意するのかどうか、iPhone 11発売後にiTunes Storeの表記がどう変更されるのか注目したいと思います。
iTunes Storeでは、Apple TV 4Kしか、Dolby Atmosの音声に対応していません。それに、Apple TV 4KがDolby Atmosに対応していると言っても、Dolby Atmos対応のスピーカーシステムに音声データを渡すだけのことです。
今のところ、Netflix(ネットフリックス)もアマゾン・プライム・ビデオも、iOSのスマホやタブレット向けに、Dolby Digital PlusやDolby Atmosの音声を配信していません。Mac OS向けも、同様に「ステレオ音声」しか配信していません。ステレオ音声での配信になっていることは、各サービスのヘルプページなどで確認することができます。
従って、Netflixのドルビーアトモス対応と言われる作品をiPhone 11で再生して、音響がよいと感じても、それはスピーカーの性能がよくなっているということであって、ドルビーアトモス音声を再生しているわけではありません。
Netflixの場合は、iPhoneで、アプリで再生中に「音声と字幕」のメニューを見れば、「5.1ch音声」や「Dolby Atmos音声」ではないことは、簡単に確認できます。
レビュー記事で、「Netflixのドルビーアトモス作品をiPhone 11で再生したら、臨場感があった」というものがあったりしますが、Netflixには、「iPhone向けのドルビーアトモス作品」は存在していないはずなのに、不可解な話です。
正確には、「ステレオ音声で配信されている作品でも、iPhone 11で再生したら、スピーカーの性能が高いので、臨場感のある音に聴こえた」ということになるのだと思います。
ドルビーアトモス作品であっても、OS、機器によっては「ステレオ音声配信」でしかないのが現状です。OSや機器によって、配信される音声が異なるということが理解されていない記事があったりしますが、もう少し調べてほしいと思います。読者に誤解を与えてしまいます。
私もそんなに詳しいわけではありませんが、あまりにも初歩的な部分での誤解が横行しているのは、アップルや配信事業者の詳細情報の開示がわかりにくかったり、不十分だったりすることも一因なのではないかと思います。
なお、アマゾン・プライム・ビデオは、アンドロイド端末向けに5.1ch音声、Dolby Atmos 音声を配信するようになっています。
iPhoneの「Dolby Atmos対応」という機能を活かすには、配信元がDolby Digital PlusやDolby Atmosの音声のコンテンツを配信する必要があります。
なお、新しいMac Book Proは、6つのスピーカーを備えていて、Dolby Atmos対応ということですが、Netflix(ネットフリックス)もアマゾン・プライム・ビデオもMac OS向けには「ステレオ音声」しか配信していません。
Netflixは、Windows 10のアプリ向けにDolby Digital PlusやDolby Atmosの音声を配信しているので、Mac Book ProにWindows 10を入れれば、NetflixのDolby Digital PlusやDolby Atmosの音声を再生できるようになるのかもしれません。この方法は、Mac OSのDolby Atmos対応機能を利用するわけではありません。実際にMac Book ProのWindows 10で、NetflixのDolby Atmos再生が可能なのかどうか、どなたか検証してみていただければと思います。
「Dolby Atmos対応」「Dolby Digital Plus対応」といったスペックが生かせるように、コンテンツ配信企業も、モバイル端末向けに「Dolby Atmos」「Dolby Digital Plus」のコンテンツを配信してほしいと思います。
■動画配信サービス「Apple TV+」は、Dolby Atmos配信対応?
11月に始まる、Apple TV+のページには、「4K HDRとDolby Atmos。」という言葉があるので、iOSやiPad OS向けにDolby Atmos、Dolby Digital Plusのコンテンツが配信される可能性があるかもしれません。
あと、iPhone 11で「空間オーディオ(Spatial Audio)再生」という言葉がありますが、VRコンテンツ向けのものでしょうか。詳細情報が気になります。
アップルは、「Dolby Atmos」対応端末を作っているのですから、それに対応するコンテンツを配信することはあり得ると思います。
ハードウェアとアプリ、コンテンツのすべてを作っているアップルに期待したいところです。
しかし、「4K HDRとDolby Atmos。」は、「Apple TV端末」限定ということも十分にあり得ます。
アップルイベントのビデオを見ましたが、iPhone 11やiPhone 11 Proで「Dolby Atmos」について言及する場面で、Apple TV+の映画やドラマのコンテンツは表示されていないようでした。少なくとも、Apple TV+に言及している様子はありませんでした。プレゼンターの説明も「Dolby Atmos」については歯切れが悪いという印象を持ちました。
iPhone 11などで「Dolby Atmos」の映画やドラマを楽しめるのであれば、Apple TV+という新サービスを始めるアップルが、そのことを強くアピールしないというのは不自然です。やはり、モバイル端末では「Dolby Atmos」の映画やドラマは楽しめないのかもしれません。
iPhone 11のゲームの紹介のところで、ゲームメーカーの人から「空間オーディオ(Spatial Audio)」や「Dolby Atmos」について言及があったので、iPhoneの「空間オーディオ(Spatial Audio)」や「Dolby Atmos」は、ゲーム向けとして想定されているのかもしれません。Windows Sonic for Headphonesも始まりはゲーム向けのようです。
ということは、やはりApple TV+での「4K HDRとDolby Atmos。」は、「Apple TV端末」限定という可能性が高いような気がします。
なお、「HDR」については、すでにiTunes StoreやNetflixが一部のiPadやiPhone向けにコンテンツを配信しています。
オーディオ再生などでは、端末側の「対応」と配信側の「対応」がそろって、初めて「楽しめる」ことになるわけですが、「対応している」ことの意味や詳細な情報が示されないのはどうしてなのでしょうか。
例えば、下記のような仕様で示されている「Dolby Digital Plus(E‑AC‑3)対応」ということが、「Dolby Digital Plus(E‑AC‑3)」規格を「単に再生できる」ということにとどまるのか、「Dolby Digital Plus(E‑AC‑3)」規格の持つオーディオ特性をスピーカーで、あるいはイヤホンで「豊かに表現できる」ということなのかが、よくわかりません。
▼iPhone 11
オーディオ再生
対応するオーディオフォーマット:AAC‑LC、HE‑AAC、HE‑AAC v2、保護されたAAC、MP3、Linear PCM、Apple Lossless、FLAC、Dolby Digital(AC‑3)、Dolby Digital Plus(E‑AC‑3)、Dolby Atmos、Audible(フォーマット2、3、4、Audible Enhanced Audio、AAX、AAX+)
空間オーディオ再生
ユーザーによる設定が可能な最大音量制限
▼新しい10.2インチiPad
オーディオ再生
対応するオーディオフォーマット:AAC(8〜320Kbps)、保護されたAAC(iTunes Storeから購入したコンテンツ)、HE-AAC、MP3(8〜320Kbps)、MP3 VBR、Dolby Digital(AC-3)、Dolby Digital Plus(E-AC-3)、Audible(フォーマット2、3、4、Audible Enhanced Audio、AAX、AAX+)、Apple Lossless、AIFF、WAV
ユーザーによる設定が可能な最大音量制限